源氏物語
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【第27帖】篝火(かがりび)【源氏物語あらすじ・解説】

藤村さき
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光源氏36歳7月のお話。

あらすじ

 近頃、世間では内大臣の姫君である近江の君のことが噂になっていました。

 他所で育った娘を内大臣が引き取ったものの、どうも内大臣はその娘の振舞いなどが気に入らないようで、そのことが悪い噂となっていました。

 源氏はどうしてそのような噂が流れるようなことをするのか、内大臣の気持ちが分からないと玉鬘に語り、姫君に同情しているようです。

 それを聞いた玉鬘は、実の親に引き取られてもうまく立ち行かないこともあるのだと思いました。

 恋心を抱かれ煩わしいこともあるものの、決して無理強いなどはせず、愛情をもって接してくれる光源氏に引き取られた自分は幸福である、と玉鬘は感じました。

 玉鬘は、だんだんと光源氏に心を開いていきました。

 七月初旬、秋になり涼しくなってきました。

 源氏は玉鬘のもとで一日を過ごすこともあり、玉鬘に琴を教えたりもしていました。

 その日も玉鬘のもとを訪れていた源氏は、琴を枕にして彼女と仮寝をしていました。みじめな気持ちを抱えながら夜更かしをしていましたが、人が怪しむといけないと思い、源氏は帰ろうとします。

 そのとき、前の庭の篝火が消えかかっているのに気が付き、右近衛の丞に言って燃やさせました。

 篝火に美しい女性の顔が照らされていきます。

 源氏は篝火を絶えさせないようにと右近衛の丞に告げ、玉鬘には己の恋情をこの篝火にたとえた歌を詠みます。

篝火に立ち添ふ恋の煙こそ世には絶えせぬほのほなりけれ

 源氏が御簾から出ようとすると、東の対から上手な笛の音が、十三絃の琴に合わせているのが聞こえてきました。

 頭中将(柏木)や弁少将、夕霧たちでした。光源氏は彼らを招き、演奏させます。

 玉鬘に密かな恋心をいだく柏木は、はやる心を抑え、緊張しながら演奏をするのでした。

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