【第38帖】鈴虫(すずむし)【源氏物語あらすじ・解説】
藤咲
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光源氏50歳の夏から8月中旬までのお話。
対訳にはなっていませんのでご注意ください。
あらすじ
その年の夏、蓮の花の盛りに、女三宮の持仏の開眼供養が営まれました。
飾りつけもすっかり整った御堂で、源氏は尼姿の女三宮に後に残された悲しみを訴えます。しかし宮はつれなく言葉を返すだけでした。
朱雀院は、女三宮に譲った三条宮に彼女を移らせることを勧めます。けれども源氏はまだ若い妻を手放すのが惜しく、首を縦に振りません。
鈴虫
秋には、女三宮の部屋の前庭を野の風情に造りかえ、鈴虫などの秋の虫を放しました。
虫の音の鑑賞を口実に、部屋に来ては未練がましく愛を語る源氏を宮は迷惑に感じるものの、はっきりとは口に出せません。
管弦の宴
八月の十五夜の頃、源氏が女三宮のところで琴を爪弾いていると、蛍兵部卿宮や夕霧がやって来て、そのまま管弦の宴となりました。
そこへ冷泉院から誘いがあり、馳せ参じた源氏ら一同は明け方まで詩歌管弦に興を尽くしま。
秋好中宮
翌朝、源氏は秋好中宮のもとを訪れます。すると、亡き母である六条御息所が今も物の怪となり彷徨っていることを嘆いており、中宮は出家したいと源氏に漏らします。
源氏はこれを諌め、追善供養をなさるようにと勧めるのでした。