小倉百人一首 31-40
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31番歌 あさぼらけ(坂上是則)

藤村さき
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朝ぼらけ ありあけの月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪

あさぼらけ りあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき

白く光る雪を月明かりと見間違える、「見立て」を用いた一首です。

現代語訳

夜が明ける頃、有明の月かと見間違えるほどに、吉野の里に白雪が降っている。

「朝ぼらけ」というのは、ほのぼのと夜が明ける頃を指します。

作者:坂上是則(さかのうえのこれのり)

「三十六歌仙」のひとり。古くは坂上田村麿の子孫で武門を勤める家系で、宇多天皇・醍醐天皇に仕えました。

和歌に加えて蹴鞠も上手で、落とさずに206回蹴ったので醍醐天皇に絹をもらったそうです。

『古今和歌集』(冬・三二五)には他にも坂上是則が吉野の雪を詠んだ歌が残されており、94番歌は以下の歌を本歌取りにしています。

み吉野の 山の白雪 積もるらし ふるさと寒く なりまさるなり (『古今和歌集』冬・三二五)

坂上家はもともと古くは大和国に本拠地があり、是則も大和国に赴任した経歴があります。吉野の里にも思い入れがあったのかもしれません。

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