82番歌 おもひわび(道因法師)
藤村さき
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思ひわび さてもいのちは あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり
おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
現代語訳
あなたへの恋にこれだけ苦しんでも命は続いていて、だけどつらさには耐え切れず、涙だけは勝手に流れてくるんだ。
文法・語句
「わぶ」は補助動詞で、動詞の連用形のあとについて、「 〜しかねる、〜しづらくなる、〜に耐える気力がなくなる」といった意味になります。
「わぶ」については自動詞もあって、意味がいろいろありますので、要チェック単語ですね☆
「ものを」は逆説の接続助詞です。
作者:道因法師
俗名は藤原敦頼(ふじわらのあつより)です。
鴨長明の『無名抄(むみょうしょう)』にも逸話が載っています。割と問題児?だったようですが、かなり長生きして歌壇で活躍した人物です。
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