小倉百人一首

99番歌 ひともをし(後鳥羽院)

人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は

ひとをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは

あるときには人をいとおしく思い、あるときには人をうらめしく思う。思うようにならないと思いながらも世の中のことを思うから、私はあれこれと思い悩む。

「をし」は漢字で書くと「愛し」となり、人をいとおしく思うという意味になります。

ほぼ直訳になってしまいますが、「愛し」と「恨めし」という、対極する感情が入って、何だか哲学的で深い歌ですね。

後鳥羽院の深いためいきが聞こえてきそうな一首です。

作者:後鳥羽院

宮中に和歌所を置いて、藤原定家らに『新古今集』をつくらせた天皇です。

後鳥羽院は壇ノ浦の戦いで平家とともに亡くなった安徳天皇の次に、四歳で即位しました。

そのため即位の際も神器がそろわず混乱していたり、本人も鎌倉幕府との権力争いを行ったこと、最終的には承久の乱で敗北し隠岐へ流されたことなど、なかなか波乱万丈な生涯だったようです。

この歌は承久の乱の9年前に詠まれたとされています。

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