源氏物語
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【第39帖】夕霧(ゆうぎり)【源氏物語あらすじ・解説】

藤咲まや
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 光源氏50歳、夕霧29歳の八月中旬から冬にかけてのお話。

 落葉の宮は柏木の未亡人である。夕霧は落葉の宮に恋心を抱いている。落葉の宮の母親(御息所)の見舞いを口実に、彼女のいる小野の山荘に赴いた夕霧は、そこで夜を明かしたことで御息所に誤解されてしまい、誤解の解けぬまま御息所は亡くなってしまう。世間にも誤解され、なんだかんだで夕霧は強引に落葉の宮を妻にしてしまう。そして夕霧の正妻である雲居の雁は怒って実家へと戻る。また落葉の宮も周囲から責められてしまう。

 という内容です。

あらすじ

落葉の宮、小野にて

 柏木の未亡人である落葉の宮は、母一条御息所の病気加持のため、小野の山荘に移っていた。

 夕霧は宮に恋心を募らせていたが、言い出せぬままただときを待っていた。そんな八月の中ごろのこと、夕霧は御息所の見舞いを口実に小野を訪れる。

 日も暮れていき、霧も深くたちこめてきたため、夕霧が、

山里の哀れを添ふる夕霧に立ち出でんそらもなきここちして

と申し上げると落葉の宮は、

山がつの籬(まがき)をこめて立つ霧も心空なる人はとどめず

と優美に答えるのだった。

 夕霧はますます帰りたくなくなったが、落葉の宮は何とかして夕霧に帰ってもらいたい様子であった。結局宮のもとで宿を求めた夕霧は、拒み続ける宮の傍らで積年の思いを訴え続けるが、思いはかなわぬままに夜は明ける。

 翌朝、落葉の宮の母である御息所は、祈祷の律師から、夕霧が宮の元で一夜を明かして朝帰りしたと聞き驚いた。

 御息所は真相を確かめるべく、病をおして夕霧に文を認める。

女郎花しをるる野辺をいずことて 一夜ばかりの宿をかりけむ

 文を書き終えた直後、御息所は危篤状態に陥ってしまう。

 御息所の文は夕霧のもとへ届いたが、読もうとしたときに夕霧の北の方である雲居の雁が取り上げてしまった。ふたりは言い合いになったものの、夕霧は無理に文を取り上げるようなことはしなかった。後日その文を見つけた夕霧は、認められた歌を見て「宮を弄んだ」と誤解された事を悟る。

御息所の死

 夕霧の返事は遅れに遅れてしまい、御息所は心労のあまり急死してしまう。

 突然の訃報を受け夕霧は葬儀に駆け付けるが、落葉の宮は母の死は彼のせいと恨み心を開こうとはしなかった。

 夕霧は長居しては迷惑だと思いつつも自らも手伝いの者などを手配し、立派な葬儀になるよう手助けするのだった。

 その後も夕霧は落葉の宮に毎日のようにお見舞いの手紙を出し、恋の思いや御息所の死を悲しむ心情を伝え続けたが、宮はそれらを手に取ることもなさらないのであった。

 落葉の宮はこのまま山荘に残り出家したいと思ったが、父朱雀院からは「女三宮も出家したばかり。姫宮たちが競うように出家するのは…」と窘められる内容の文が届き、落ち込む。

夕霧と落葉の宮の仲、世間に公然のものとなる

 夕霧によって落葉の宮は強引に本邸の一条宮に連れ戻された。

 世間では二人の仲は既に公然のものとなっており、その状況に宮は戸惑う。

 夕霧は養母の花散里から事情を聞かれるが、帰宅後嫉妬に狂った雲居の雁と夫婦喧嘩をしてしまう。

 何とか雲居の雁をなだめて落葉の宮の邸へ通っても、宮は塗籠(ぬりごめ=土壁に囲まれた寝所)に閉じこもって出てこようとしない。

 夕霧は結局強引に逢瀬を遂げ、既成事実を作ってしまう。

雲居の雁との決裂

翌朝夕霧が邸に帰ると、雲居の雁は主に娘と幼い子数人を連れて実家の致仕大臣邸に帰ってしまっていて、連れ戻しに行っても取り合おうとしない。

ついに二人は決裂してしまった。

落葉の宮、途方に暮れる

一方落葉の宮は亡き夫の父である致仕大臣に文で責められ、夕霧の妾の藤典侍も雲居の雁の味方で、一人途方にくれるのだった。

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