小倉百人一首 71-80
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78番歌 あはぢしま(源兼昌)

藤村さき
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淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守

あはしま かよふちどりの なくこゑに いくよめざめぬ すまのせきもり

『金葉和歌集』(冬・二八八)から採択されました。詞書によると「関路千鳥といへることをよめる」とあります。

現代語訳

淡路島へとわたる千鳥の鳴く声に、いったい幾夜目覚めたことだろう。須磨の関守は。

当時はすでに須磨の関は廃止されたあとでしたが、もの悲しい千鳥の鳴き声を聞いた旅人が、昔の関守のことを思って詠んだ歌です。

須磨

現在の兵庫県神戸市須磨区。

須磨の関がありましたが、平安時代前期に廃されています。

16番歌の作者である在原中納言行平が閑居した土地で、『源氏物語』でも光源氏が流された土地です。『源氏物語』須磨巻でも、光源氏が中納言行平を思ったり、千鳥の鳴き声について語ったりしています。

作者:源兼昌

1100年頃の人です。堀河天皇・鳥羽天皇に仕えました。

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