48番歌 かぜをいたみ(源重之)
藤咲
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風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな
かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
出典は『詩歌和歌集』恋上二一〇
現代語訳
風が激しく吹いて岩に打ち寄せる波がくだけるように、わたしだけがくだけるようなそんな恋をしている。
何度もアプローチしているのに、相手の女性はまったく動いてくれない。その様子を岩と波を使って比喩表現しています。
「くだけて物を思ふ」という言い回しは当時流行っていたらしく、他の歌人も歌に取り入れています。
作者:源重之
10世紀後半の人で、「三十六歌仙」のひとり。
村上天皇・冷泉天皇・円融天皇に仕えました。
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