小倉百人一首

50番歌 きみがため(藤原義孝)

君がため 惜しからざりし いのちさへ 長くもがなと 思ひけるかな

きみがため しからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな

出典の『後拾遺和歌集』詞書に「女のもとより帰りてつかはしける」とあり、”後朝の文(きぬぎぬのふみ)”として詠まれた歌です。

”後朝の文”というのは、男女が一夜を共にしたあと、早朝に帰っていった男性が女性に宛てて送る文のことです。

関連記事→”後朝の文(きぬぎぬのふみ)”とは

現代語訳

あなたに逢うためなら捨てても惜しくないと思っていた命ですが、あなたに逢った今では長くありたいと思うようになってしまいました。

『鬼滅の刃』でもこの歌が登場

単行本第10巻にある番外編「伊之助御伽草紙」で、この歌が登場します。

作者:藤原義孝

『大鏡』でも絶賛されている、美貌の貴公子です。45番歌の作者謙徳公の息子にあたります。

幼少時から仏道に熱心で、『大鏡』には「法華経を読み終えるために生き返りたいから火葬しないでほしい」と病床で遺言したことが書かれています。

天延二年(972年)に、流行した疱瘡によって兄と同日に他界。

享年21歳でした。

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