小倉百人一首 61-70
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67番歌 はるのよの(周防内侍)

藤村さき
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春の夜の ゆめばかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそをしけれ

はるよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ

出典の『千載和歌集』詞書によると、二月の月の明るい夜に、二条院で大勢でおしゃべりしていたとき、作者が「枕が欲しいわ」と言ったら、大納言忠家が御簾の下から腕枕を差し出してきたので、それでこの歌を詠んだらしいです。

現代語訳

短い春の夜の夢のようなあなたの腕枕ですが、借りてしまったことがつまらない噂となってしまうのが残念です。

章子内親王の御所での楽しい様子がうかがえる一首です。

この歌に忠家は口説き反すような歌を返していますが、あくまでこれらは戯れ。当時の宮中の洗練された人々のやりとりって、面白いけどずっとだと疲れそうですよね。

作者:周防内侍(すおうのないし)

1037年頃~1110年頃の人。「女房三十六歌仙」のひとりです。

最初は後冷泉天皇に仕え、崩御後はいったん宮中を辞しましたが、のちに請われて後三条天皇・白河天皇・堀河天皇の四代に仕えました。

『金葉和歌集』には、住んでいた家を人手に渡す際に柱に書き残した歌が記されています。実際にその歌は柱に残っていたようで、のちにその家は名所・旧跡のようになって、西行も見学に行っています。

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