小倉百人一首 61-70
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63番歌 いまはただ(左京大夫道雅)

藤村さき
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いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな

いまただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな

現代語訳

今はただ「あなたをあきらめましょう」ということだけを、人づてではなく直接言うことができたらいいのになあ。

三条院の娘である当子内親王のもとに通っていることを院に知られ、仲を裂かれた頃の歌です。

当子内親王は伊勢の斎宮をつとめたこともある女性で、任を終えて帰京して来た頃に作者が通い始めてきたそうです。

三条院は激怒し、内親王を別邸に移した上で見張りもつけて二人が逢えないようにしました。この後、内親王は出家してしまいます。

作者:左京大夫道雅(さきょうのだいぶみちまさ)

藤原伊周の子で、中宮定子からは甥にあたります。

没落していく中関白家で育ち、やがて粗暴な言動が目立つようになり、「荒三位」とも呼ばれました。

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