小倉百人一首 41-50
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45番歌 あはれとも(謙徳公)

藤咲
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あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな

あはとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな

出典の『拾遺和歌集』の詞書には「物言い侍りける女の、後につれなく侍りて、さらに逢はず侍りければ」とあります。交際していた女性が冷たくなって、逢ってもくれなくなったときに送った歌です。

現代語訳

「かわいそうに」と言ってくれる人がいるとも思えないし、わたしは死んでしまいそうですよ。

あなたが恋しくて死んでしまいそう、と女性の同情をひこうとした一首です。

家集『一条摂政御集』には女性からの返歌もあり、それによるとやはり女性の心は開けなかったようです。

作者:謙徳公(けんとくこう)

これは藤原伊尹(ふじわらのこれただ※これまさと読む方もいます)のおくりなです。

有力貴族の家柄に生まれ、容貌も学才にも恵まれ、多くの女性と浮名を流しました。

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