小倉百人一首 41-50
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42番歌 ちぎりきな(清原元輔)

藤咲
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ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは

ちぎりな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは

『後拾遺和歌集』恋四の詞書によると、女性に裏切られた男性に代わって作者が読んだ、代作の歌だということです。

現代語訳

約束しましたよね。お互いに涙で濡れた袖をしぼりながら、末の松山を波が越えることがないように、わたしたちも決して心変わりしないと。

心変わりしないと誓った相手(女性)が心変わりしてしまった、そんな相手をなじる歌です。

本歌取りの一首

原歌は以下です。

君をおきて あだし心を わが持たば 末の松山 波も越えなむ[『古今和歌集』東歌(あずまうた)・一〇九三]

「末の松山」

「末の松山」の古跡は、宮城県多賀城市にあります。

伝承によると、どんな大波もここには打ち寄せないとされています。

なので、そこを波が越えることがないくらい、心変わりなんてしないよー、という意味になりますね。

作者:清原元輔

『後撰和歌集』の撰者で、「三十六歌仙」「梨壺の五人」のひとり。

36番歌の作者清原深養父の孫にあたり、62番歌の作者清少納言の父でもあります。

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