小倉百人一首 21-30
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23番歌 つきみれば(大江千里)

藤村さき
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月みれば ちぢに物こそ かなしけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど

みれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

『白氏文集(はくしもんじゅう)』「燕子楼」第一首の詩をふまえた歌です。

現代語訳

月を見ると、いろいろな悲しい気持ちがこみあがってくる。わたしだけのためにある秋ではないのに。

元になった詩をふまえて、月を見てわたしほど悲しんでいる人はいない、という気持ちを表現しています。

ただ、場所や主人公が限定されない歌に仕上げているため、「燕子楼」の詩と比較すると「秋」「月」「悲しみ」から受けとる感情が、誰にでも共感できやすいものとなっています。

「秋」の「本意(ほい)」

『至宝抄』では、「ものさびしくあはれなる体、秋の本意なり」とあります。

作者:大江千里(おおえのちさと)

西暦900年頃の人で、「中古三十六歌仙」のひとり。清和天皇から醍醐天皇まで、5代にわたって仕えました。

宇多天皇の勅命で、家集『句題和歌』(大江千里集)を撰集・献上しています。

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