45番歌 あはれとも(謙徳公)
藤咲
咲くやこのはな
かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
出典は『詩歌和歌集』恋上二一〇
風が激しく吹いて岩に打ち寄せる波がくだけるように、わたしだけがくだけるようなそんな恋をしている。
何度もアプローチしているのに、相手の女性はまったく動いてくれない。その様子を岩と波を使って比喩表現しています。
「くだけて物を思ふ」という言い回しは当時流行っていたらしく、他の歌人も歌に取り入れています。
10世紀後半の人で、「三十六歌仙」のひとり。
村上天皇・冷泉天皇・円融天皇に仕えました。
関連記事
小倉百人一首(一覧)