【第28帖】野分(のわき)【源氏物語あらすじ・解説】
藤咲
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光源氏36歳の秋のお話。
あらすじ
8月のある日、激しい野分(台風)が都を吹き荒らしました。
夕霧が六条院を訪ねると、庭の草花は倒れ、邸内は混乱している様子でした。
そんななか、夕霧は偶然にも紫の上の姿を垣間見、その美貌に衝撃を受けます。
その後、祖母である大宮の元へ見舞いに参上してからも、爛漫の桜のような紫の上の艶姿は夕霧の脳裏に焼きついて消えませんでした。
野分の去った翌日、源氏は夕霧を伴って、六条院に住む女君たちの見舞いに回ります。
宿下がり中だった秋好中宮を始め、玉鬘などのもとも回っていきます。
玉鬘のもとを訪れた時、夕霧はこっそりと玉鬘を覗き見ます。
そして玉鬘の美しさに見とれると共に、源氏が親子とは思えない振舞いを見せることに驚き、不審に思います。
このように、とりどりに花のように美しい女性たちを思って心乱れつつも、雲居の雁へと文を送る夕霧なのでした。