38番歌 わすらるる(右近)
藤咲
咲くやこのはな
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ
日の光がのどやかな春の日に、桜の花はなぜあわただしく散ってしまうのだろう。
ここでいう「花」は「桜」です。
『古今和歌集』の時代以降、日本で「花」といえば「桜」をさすようになってきます。それまでは「梅」でした。
江戸時代の本居宣長は、満開の桜を見たときに感動する心を「大和心」と表現しています。
『古今和歌集』の撰者のひとりでしたが、完成前に亡くなってしまいます。35番歌を詠んだ紀貫之とは従兄弟同士です。
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