小倉百人一首

72番歌 おとにきく(祐子内親王家紀伊)

音にきく たかしの浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ

にきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ

この歌は、康和四年(1102年)の「堀河院艶書合(ほりかわいんけそうぶみあわせ)」で藤原俊忠の歌に返した返歌です。

「艶書合(けそうぶみあわせ)」というのは、恋歌を送りあって披露して楽しむ「歌合(うたあわせ)」の一首です。

現代語訳

噂に効く高師の浜にいたずらに立つという波を、わたしはわたしにかけるつもりはございません。涙で袖が濡れては困りますから。

「あだ波」はいたずらに立つ波という意味ですが、浮気な男心の意味も込められています。「かけじや」には、「波をかけまい」の他に「思いをかけまい」という気持ちも表現されているのです。

ちなみにこのとき作者は70歳ぐらい、俊忠は29歳だったそうです。

平安時代の貴族もいろいろな遊びをしてたんだなあと、知れば知るほどあらためて感心してしまいます。

作者:祐子内親王家紀伊

後朱雀天皇の皇女祐子内親王に仕えた女房です。

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