70番歌 さびしさに(良暹法師)
藤咲
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さびしさに 宿をたちいでて ながむれば いづくもおなじ 秋の夕ぐれ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ
決まり字は一字目の「さ」。一字決まりの七首「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」のひとつです。
現代語訳
さびしさのあまり庵から出て辺りを眺めてみたが、どこもかしこも同じさびしさだ。秋の夕ぐれだなあ。
「秋の夕ぐれ」で終わる歌
「秋の夕ぐれ」で終わる歌には、87番の歌もあります。
また百人一首には入っていませんが、『新古今集』巻四にある「三夕の歌(さんせきのうた)」として有名な三首も、「秋の夕ぐれ」で終わっています。
作者:良暹法師(りょうぜんほうし)
11世紀前半に生きた、天台宗の僧です。朱雀天皇・後冷泉天皇の時代に歌人として活躍しました。
晩年は雲林院に住んだと言われています。
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