『源氏物語』全54帖の数え方と分類
『源氏物語』は、巻数の数え方によって、途中の題名と巻数が変わっています。本記事では、全54帖の巻数の数え方や、内容による分類について整理しています。
全54帖の巻数の数え方:2つの主流説
『源氏物語』は「桐壺」~「夢浮橋」まで、全54帖です。ですが、その巻名の数え方には、「若菜」巻を「上・下」に分けるかどうかで、2つの説があります。
その説は、以下の2つです。
①と②の違いにより、途中の題名と巻数が変わりますが、どちらの数え方でも全54帖となっています。
全54帖一覧(「雲隠」巻は数えていません)
「1:桐壺」「2:帚木」「3:空蝉」「4:夕顔」「5:若紫」「6:末摘花」「7:紅葉賀」「8:花宴」「9:葵」「10:賢木」「11:花散里」「12:須磨」「13:明石」「14:澪標」「15:蓬生」「16:関屋」「17:絵合」「18:松風」「19:薄雲」「20:朝顔」「21:少女」「22:玉鬘」「23:初音」「24:胡蝶」「25:蛍」「26:常夏」「27:篝火」「28:野分」「29:行幸」「30:藤袴」「31:真木柱」「32:梅枝」「33:藤裏葉」「34:若菜・上」「35:若菜・下」「36:柏木」「37:横笛」「38:鈴虫」「39:夕霧」「40:御法」「41:幻」(「雲隠」)「42:匂宮」「43:紅梅」「44:竹河」「45:橋姫」「46:椎本」「47:総角」「48:早蕨」「49:宿木」「50:東屋」「51:浮舟」「52:蜻蛉」「53:手習」「54:夢浮橋」
※上述したように「若菜」巻を上下に分けず一巻として、「雲隠」巻を「幻」巻のあとに入れることもあります。
内容による分類
全54帖は、構成や主題によって分類されることが多いです。
構成による「三部構成説」
全巻を分類する方法として、全54帖を3つに分ける「三部構成説」が現在広く受け入れられています。
主題別の小グループ分類
本文の主題による分類です。いずれも連続した巻となっています。
- 「帚木三帖」:「2:帚木」「3:空蝉」「4:夕顔」
- 「玉鬘十帖」:「22:玉鬘」「23:初音」「24:胡蝶」「25:蛍」「26:常夏」「27:篝火」「28:野分」「29:行幸」「30:藤袴」「31:真木柱」
- 「匂宮三帖」:「42:匂宮」「43:紅梅」「44:竹河」
- 「宇治十帖」:「45:橋姫」「46:椎本」「47:総角」「48:早蕨」「49:宿木」「50:東屋」「51:浮舟」「52:蜻蛉」「53:手習」「54:夢浮橋」
まとめ
『源氏物語』は全54巻(帖)あり、「若菜」巻を「上・下」に分けて数えるかどうか、「雲隠」巻を数えるかどうか、で途中の巻数が変わります。どちらの数え方でも、合計は全54巻(帖)となります。
構成によって全54巻を3つに分ける「三部構成説」と、主題によって「帚木三帖」「玉鬘十帖」「匂宮三帖」「宇治十帖」などにグループ化して分類する方法があり、必要に応じて使い分けられています。
最後に、江戸時代の子女教育などで『源氏物語』を読む場合、「初音」巻から読み始めることが多かったそうです。主要な登場人物が多く登場し、描写も美しい巻ですので、まだ未読でとりあえず読んでみたい方は「初音」巻から読んでみてはいかがでしょうか?